第30話《REBORN2・人生はドラマだ》

ここは山と海に挟まれた、とある田舎町。 
町の中心から続く県道をしばらく走り、トンネルを抜けた先の小さな住宅街の一角。
地域の人に”イヤシロチ”としてこよなく愛されている鍼灸院がある。
その名も『鍼Go!堂』
ここで働いているのはたったの2人、どこか抜けているが患者の信頼は厚いGo院長と、立派な鍼灸師を目指す弟子2年目のまめちびだ。
おや?今日もなにやら会話が聞こえてきましたよ? 
早速聞き耳を立ててみましょう。

Go: 輪廻とか生まれ変わりってのがどんなシステムなのか私なりの解釈で説明してみよう。
俳優だったらどんな役をやりたいかってのがあるだろ?
人間の転生は俳優のように、または脚本家がどんなテレビドラマにするか考えるように、自分でどんな経験をしたいか、ある程度決めて生まれてくるらしいぜ?

まめ: こないだも言いましたけど、仮にそうだとしたらもっといい役選んで生まれてくるし。

Go: 自分で選んだ役にケチつけてどうする。

まめ: ある程度決めて生まれてこれるなら、誰だって恵まれた環境で人生過ごしたいですよ?

Go: よし、んじゃこれからおれが言うこと想像してごらん?

まめ: 妄想は得意です。

Go: 全てにおいて恵まれていて、何やってもうまく行くし、うまく行かないと言う概念すらない。
欲しいものはすぐに手に入るし、行きたいところがあればいつでもそこに行ける。
自分と同じような人しか周りにいないので人間関係で一切摩擦が起きない。
考えてることも手に取るようにわかるので、特に話すこともない。
いや、自分と他人との区別すら曖昧。
食べ物も食べたい時に食べたいものが食べれて一切困ることはないし、面倒な税金も払う必要がない。
常に快適な気候と気温で不快な湿度も雷もない。
自分が嫌いなものや苦手なものが一切周りにない。
完璧な世界だ。
そんな人生どうだろうか?

まめ: きゃ〜!最高じゃん!

Go: まあ、そうだよな。
でもさ、それは今矛盾と制限だらけの世の中にいるからそう思うんだ。
ただね?自分以外つまり「外」の存在がなければ、「きゃ〜最高!」とも「もう最悪…」とも思えないし、幸せとか不幸せも感じることがなければ、感情が動く事もない。
他人も自分も愛する事もなければ愛される事もない。

まめ: え〜全然つまんない!

Go: まめちびが女優だったとしたらどんな役やりたい?

まめ: え〜♡好きな俳優さんたくさんいるから〜
恋愛系のドラマはやってみたいね〜♡

Go: はい、それ何回かやったら次は?

まめ: 女探偵ものとか〜あと刑事とかもいいね!アクションやってみたい!
ばっしばし悪者やっつけるぜ!
なんかワクワクしてきた〜

Go: 他にもある?

まめ: 放浪しながら生きるのも憧れるから、女版「裸の大将」やってみたいね。
おにぎりも好きだし。

Go: お願いだから薄着の大将くらいにしといてくれ。
他には?

まめ: めっちゃ悪い役。世界を裏で牛耳りたい。

Go: 他には?

まめ: あとそうね〜軍隊に入って愛する人を守るために戦いたいね。

Go: まだある?

まめ: そうね〜これだけやってきたら、超普通の役もいいね。
普通に成長して、普通に結婚して。普通の幸せを味わうの。

Go: ね?

まめ: はい?

Go: 色んな役やりたいし、何も起こらないドラマなんて、ドラマにならないし興味も湧かないよね。
感情を揺さぶることが起こってこそのドラマだよ。

まめ: そりゃドラマだもん。なんでもありですよね。

Go: 現実はドラマよりもなんでもありなんだよ。
さっき言ったあらゆるものがすぐに手に入り何の摩擦もない世界をもう一度思い出してみて。
肉体で生まれる前にそんな世界に我々はいたとしたら?

まめ: ⁉︎生まれる前の世界?
死後の世界⁇T波先生の世界?

Go: T波先生の世界おれしらねーし…

まめ:そんな世界にいたら…そうねー、こう、、なんか刺激が欲しいね。ガツンとしたやつが。

Go: だろ?
宇宙の真理なんてわからないが、一つ間違いなく言えることは『変化』だ。
さっき言ったような我々から見たら夢のような世界も、反対の矛盾と制限だらけの世界を知ってるからこそ、本当に素晴らしい世界だとわかる。
陰を知るから陽を知るし、陽を知るから陰を知ることができる。
しばらくこの地球の体験を思う存分楽しみ、肉体を離れその経験を携えて故郷に帰る。
その人生をどんな態度で過ごしたかによって学びの大きさは、かなり違うものになるだろうね。

まめ: だれが卒業していいって決めてくれるの?閻魔様と面接でもあるのかな?

Go: おいおい、閻魔様は地獄にいるお方だろ?
卒業を決めるのは自分だよ。

まめ: え⁉︎自分で卒業って決めていいの?

Go: いいらしいよ。

まめ: そしたら今回をもって人間を卒業させてもらいます!ありがとう!

Go: おつかれ。
でも来世戻ってきたら鼻で笑ってやるからな。

まめ: ちょ!もうちょっとその辺教えてもらえますか⁉︎

Go: 死んだ後の話なんかどうでも良いじゃん。

まめ: ダメですよ!
だってあたいの卒業がかかってんだもん。

Go: しょうがないな〜少しだけな。
まめちびがどのくらい人生に嫌気がさしてるか知らないけど、辛い人生送ってきた人ほど、もう人間なんてやりたくない!って思うと考えるだろ?
でも死んだらさ、違うらしいんだこれが。

まめ: どゆこと?

Go: もともと自分が学びたいことがあるとするじゃん?
もちろん一つじゃなくていくつもあると思うんだ。
生まれる前の段階でさ、その経験と学びを一番得やすい環境や人間関係を、ある程度設定したり出来るらしいいんだ。
両親や結婚相手なんかは、偶然ではなく別の人生でも何回も関係してきた人達みたいね。

まめ: 生まれる前にその人達と口裏合わせしてくるの?

Go: そんな感じみたいね。
ある人生では父親であり娘であり母であり恋敵であり殺しあった関係かもしれないし、とにかく自分を一番引き出してくれる存在達、いわゆるソウルメイトとも言うね。

まめ: ソウルメイトって夫婦とか彼氏彼女のことじゃないの?

Go: 実はそう言うわけではなく、出会う人達が皆ソウルメイトってこと。
まあ、そんなわけで、人も環境もある程度設定した中で、どういう選択をするのかはその人の自由意志に任されている。
そこが学びの大きさにつながってくるよね。
んでなんだかんだ人間生活が終わりに近づき、「もうこんな人生こりごり、二度とこの世に生まれてくるもんか!」って思ってたとするでしょ?
でもさ、人生を終えて肉体を離れたら、その記憶を思い出すのらしいのよ。
「あ⁉︎やべ⁉︎おれ学びたかったことや経験したかったこと全然足りてねえじゃん!
ヘタこいたー!
ねぇねぇ神様〜♡もっかい人間やっていい?次はしっかりやるからさ〜♡」
これが転生の仕組みだ!

まめ: 輪廻転生ってずいぶん俗っぽいシステムですね。

Go: ここに先天性の病気の謎がある。

まめ:まじか⁉︎

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