第36話《卵が先か鶏が先か・前編》

ここは山と海に挟まれた、とある田舎町。
町の中心から続く県道をしばらく走り、トンネルを抜けた先の小さな住宅街の一角。
地域の人に”イヤシロチ”としてこよなく愛されている鍼灸院がある。
その名も『鍼Go!堂』
ここで働いているのはたったの2人、どこか抜けているが患者の信頼は厚いGo院長と、立派な鍼灸師を目指す弟子2年目のまめちびだ。 
おや?今日もなにやら会話が聞こえてきましたよ?
早速聞き耳を立ててみましょう。

Go: おい、まめちびよ。

まめ: はい?

Go: 卵が先か鶏が先か、どっちだと思う?

まめ: はい?

Go: 聞こえなかったか?

まめ: 聞こえましたよ。
鶏が先ですね。

Go: お!なぜだ?

まめ: 昨日親子丼作りましたからね、卵を先に入れたらガッチガチのしょうもない親子丼になりますから。

Go: お!こりゃ一本取られた!

まめ: わかったわかった。
先生、ちょっと今の状況一旦落ち着いて把握してもらっていいですか?

私トイレの中ですから。
それわざわざ、トイレのドア越しに話さなきゃいけないことですか?

Go: そうか、すまん、知らなかった。
まめちびはこれからトイレ中は話しかけたらダメなんだな?よく覚えておく。

まめ:・・・
普通みんなそうです。
これだから次男坊は、、タチ悪いよな、、ったくブツブツ…

Go: なに?

まめ: なんでもないです。

・・・・・・・・・・・

Go: さて、原因の話が中途半端になってしまってたので、改めて話そう。

まめ: でも結局原因はわからないって話しじゃなかった?

Go: それで終わったら印税稼げないだろ?

まめ: 先生、本音と建前を使い分けた方がいいですよ。

Go: 因果の話を病気に当てはめると、実は病気の人が聞きたくなかった結果を知ることになる。

まめ: え!どういうこと⁉︎

Go: 例えば何かの病気の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因の原因のげんいんのげんいんのインゲンのインゲンのインゲンのインゲンのインゲンのインゲンのインゲンのインゲンのインゲンのインゲンのインゲンのインゲンのインゲンの…まめ: もうお腹いっぱいです

Go: そのインゲン、いや原因を探っていくと、その人の存在自体が原因だし、その親も原因になってくる。
するともう人類の始まりが原因だし。
なぜ人類がいるかという原因を辿っていくと、この宇宙はなんで存在しているのかという、宇宙の創生の話にまでたどり着く。
絶対に終わりがないし、宇宙が存在している原因なんてわかるやついるか?

まめ: 私くらいだね。

Go: だから思考作る原因の性質は、人の都合の良いように書き換えられ、ある都合の良いところで止めることが必要になる。

まめ: スルーかよ…

Go: そして原因と結果は絶対的なものだと思っている方も多いと思うが、実はまったくそうではなく、あくまで「相対的」なものだ。
実は私たちの思考が求めているだけなのだ。
今ある物、現象、現状に対して原因を求めることは、言ってみればただの私たちの思考の癖なのだ。
なにかが起こると必ず私たちはその原因を探そうとするし、無意識的に因果を中心に動いている。
この世を生きていく上で非常に便利なのがこの因果なのだ。
お金を稼ぐために働いているし、ご飯をうまく口に入れるために箸があるし、日常そのものに因果を当てはめることができる。
戦争が起こった原因は石油かもしれないし、今誰かがコーヒーを飲んでいるのは同僚から言われた一言でイライラして一息入れているから、かもしれない。

まめ: よく思い返してみると、必ず都合のいいように無意識に原因と結果を結びつけてる気がする。

Go: そうなんだよ。それはあまりにも瞬間的に行われるので通常意識にすら入ってこないかもしれない。
逆に言うと人間の思考は、全てを因果の枠の中にはめ込まなければ、気が済まない。

紀元前の時代から因果的思考は研究されている。
アリストテレスの四原因説を引用させてもらおう。

第37話《卵が先か鶏が先か・後編》

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