いよいよ年に一度の、漢字と仮名の昇段試験の時期がやってきました。
漢字と仮名は現在準初段ですが、この試験により昇段できるかどうか決まります。
いつもは「まあ、これでいいか」という妥協をしながら提出していますが、今回は大きな試験ということで妥協を最小限にするために、かなりがんばりました。
ブログで毎回記事にしていますが、写真になると客観的な視点になり、気づかない部分も見えてきます。
自分が持っている印象と画像にしたときに実は結構違って、アラが浮き彫りになりむしろがっかりすることの方が多いのも現実です。今回も実物はもう少し上手く書けている気がしてたんですが、まだまだ課題の多さを感じます。
漢字の課題はこちら。
『月前坡翁船』(げつせんはおうのふね)
この5文字の楷書、行書、草書、隷書の提出が必要です。
【楷書】

【行書】

【草書】

【隷書】


今回提出に至るまでに使った半紙は多分500枚近く、その中でも最も苦戦し半紙を消費したのが行書でした。
自分ではそれなりに書けたかな〜?と思って先生に添削してもらうと、自分では全く気づけなかった部分を指摘されます。
例えば、行書の場合「全部がとんがりすぎてる」とのこと。始筆(線の書き始め)の部分が全部尖りすぎていると言う意味です。
例えばこれ↓失敗例です。

三画目の始筆を例に出します。
下手に丁寧に書きすぎているので、二画目を終えて三画目を始める際、二画目の流れを組んでおらず、一度筆を上げて改めて下ろす、つまり筆の力の流れを毎度途切れさせながら書いてしまっている、というわけです。
下の画像は今回提出したものですが、それを意識した書き方です。
書道の用語で、上の画像三画目の始筆が露峰(ろほう)、下は蔵鋒(ぞうほう)と言います。

筆の穂先を外に出して書く露鋒に対して、蔵鋒では線の中に穂先を隠します。
筆先が線の外に表れないため、線の両端が必然的に丸みを帯びます。
蔵鋒は柔らかいけれどずっしりと重い印象を与えますね。
これらの技術は書道を学ぶ上で絶対必要となるものですが、意識しなければ初心者は私のようにすべて露鋒になってしまうので、蔵鋒を体に染み込ませなければいけません。
そして、その蔵峰をむしろ多用するのが隷書です。
常に筆の穂先を隠しながら書く、と言う独特の書き方で中々慣れませんし、はね、はらいの部分も中々難しく、行書の次に半紙を消費しました。
【仮名】

風(可勢)ふけ(希)ばおつるもみ(見)ぢば(盤)水き(支)よ(餘)み(ミ)ちら(羅)ぬかげ(介)さへそ(曽)こにみえつつ
古今集(みつね)
今度は仮名です。
字がそれなりにまとまってきたころ、今度はまた別の指摘をされました。
「かすれてないので面白くない」と。
仮名は渇筆(かっぴつ)と言って、かすれているのがいいんですよね。
もちろんただかすれていればいいというわけではなく、だんだんかすれていき程良いところで墨付けをすることで立体的になり味が出るというわけです。
今回そのかすれがまだうまく出せないとのご指導がありましたが、最後までそれが上手くってないので、これからの課題の一つですね。
超~久しぶりのコメント。
「隷書」個人的には好きだな~。
字が上手なのは羨ましい。
今、気に入ってる筆師で、指なし筆師が居るよ。
インスタグラムや、YouTubeで見れる。
インスタグラムでは「hisayodegowasu」
YouTubeでは「ごわすちゃんねる」
良かったら、覗いてみて。
久しぶり^ ^
隷書が気に入ってくれてるなんて通だな〜ありがとう!
下手なので上手になれるように頑張ってます(笑)
ごわすちゃんねる!?はじめて聞いたけど見てみるね。