【治療日記】ももざし?

様々な病気や症状の勉強はしてきましたが、奄美に来て初めて知った病気?の名前があります。
それが「ももざし」。
風土病なのでしょうか?調べても詳しいことがよくわかりません。詳しく知ってらっしゃる方は、是非とも教えていただきたいものです。

患者様たちは様々な表現をされますが、お腹が硬くなって変な感じとか、強い痛みではないけど不快な痛みだとか、開院当時から来られている80代の女性は、お腹をどんどん叩いて「ここが硬くてなんだか調子悪い」と訴えたり、先日の90代の女性は「しきりにお腹がちゅんちゅんする」と言った表現を使われます。
ただ「痛い」ということではないようなので、なんだかわかりにくい症状なんですよね。
他覚的には、私が触るとお腹のへその周りの腹直筋が大体の場合において、縦に長く硬く筋張っています。
当院の患者様に限って言えば、85歳以上の方に多いことがわかっています。
ただ、これが正確に「ももざし」なのかもよくわかっておりません。

そして、この症状は病院で相談してもどんな検査にも出ないし、消化器系やお通じの症状に影響しているわけでもありません。
なのでなんの薬が出るわけでもなく診察が終わってしまうので、皆さんますます困ってしまうわけです。

そんな正体不明のももざしですが、実は鍼灸治療の効果は結構高いんです。
先ほど言った90代のしきりに「ちゅんちゅんする」という訴えのあった患者様を例に出させて頂きますが、この方の治療は特にうまくいきました。
何年も悩んでいた症状は、一回でほぼ完全消失、腹が張るような随伴症状も一緒に無くなりました。

90歳手前の方も同じような症状を訴えていましたが、他のたくさんの症状の治療をしていくうちにいつの間にか不快な症状は治っていました。ただこの方の場合、お腹が硬いのは治らないままです。

ももざしは、必ず治せるわけではありませんし、再発する可能性も多々ありますが、私の見立てでは決して治らないものではなく、比較的改善することも多い症状と言えることが、経験によりわかりました。

ここで疑問をお持ちの方も多いでしょう。
「なぜ治ったの?」「なんの治療をしたの?」
という問いが生まれてくると思います。
答えは、正直なところ治療している本人でもわかりません。
しかし、ここが東洋医学やヒーリングの面白いところです。
よくわからないものに対しても、脈診や東洋医学的な診断、あとは「直感」とか、医師にとっては全く馬鹿らしいかもしれないですが、そういったものを用いツボを選んで治療します。
すると、体になんらかの大きな変化が起こっていくこと、ここは間違いないようです。

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